本日は、『外壁塗装 4』のご紹介をします。
4月13日にアップしました塗装工事の現場報告4です。
前回の記事ではサッシ廻りの化粧コーキングと外壁ALC材のジョイント部の目地コーキングの打替えについて書きましたが、今回は外壁ALC材の表面クラックについてです。
基本建物の骨に当たる鉄骨柱や梁などの躯体は地震や大型車両などの揺れで動きますが、外壁ALC材はその揺れが、まともに影響されない様に取付してあります。
ALCメーカー各社が工夫を重ねており、より変形追従性の高い『ロッキング 構法』と言われる構法では地震時に躯体が変形してもALC材が回転することで変形の影響を最低限にとどめることが可能です。
その為に、ALCの表面にクラック(ヒビ)が生じる事は少ないですが、無いわけではありませんので外壁全部を事前にチェックします。
外壁材の表面に表れているクラックは、その内部から生じている物や表面材の塗料のみに生じている物に分かれています。
塗料のクラックの場合は今回塗装塗り替えを施工するので問題ありませんが、内部から生じているクラックの場合は、上から塗装しただけでは直ぐ塗装面に再びクラックが入ります。きちんとした防水施工をしないと外壁材の内部に水が侵入し鉄筋材が錆て腐食、膨張して膨らみ外壁材を押し上げてしまう『爆裂』と言われる外壁材の落下などの症状が表れます。
既設のクラックを全てチェックした後に、そのクラックが表面だけなのか?内部からなのか?を調べるためにV溝カッターの刃をサンダーに取付けてクラックにあてがいます。
このV溝カッターは内部から生じるクラックの場合は刃先が深く入り込み、V字型の溝を作りますが塗装表面のみの場合は刃先が深く入り込まないので、クラックの種類が分からない場合は、その判断にも使用されます。
西-8の部分では、たてのクラックは内部からの物である事が分かりますが、上部の横の物は表面のみと分かります。
V溝カッターを当てた所は全てコーキングを施工します。今回は目地材と異なり、変成シリコーンをプライマー施工後に使用しました。
外壁が動き、無理が掛かる部分にクラックが生じますので、動くことが予想される部分には 『低モジュラス』のコーキング材を使用します。
また、今回の現場は10年前に再塗装された現場で10年ごとに施工されていますので先程の爆裂と言われる内部の鉄筋を錆させ表面材を押し出し剥離させる状態の部分はありませんでしたが、その様な部分がある場合は浮いている部分を剥がし、モルタルで表面まで塗る工事が必要となりますので施工に何倍もの労力と費用が必要となります。
その為に、現地にて外壁の状態を確認させて頂き、お見積もりをさせて頂いております。
簡単に『面積当たりに、いくらですよ』とはならないものです。
調査・お見積だけの御相談でも大丈夫です。何でも御相談して下さい。